フォント : Nu らっかせい

概要

千葉県が 2006 年に発表した「ちば」というロゴから発想して、平仮名五十音を揃えたフォントです(→ Internet Archive : 千葉県のサイト)。幾何学的でモダンとも言えるし、隙間が多くて間抜けとも言えるし、脱力感とか遊び心を感じさせると思います。本文向きではないので使い道はやっぱりロゴでしょうか。

ちなみに発表の翌年である 2007 年に下描きを作ったのですが、当時はフォントを作成できる環境になかったので、完成は 2017 年となりました。

お使いのブラウザーが対応していれば、次の書体見本を自由に書き替えられます。

せつぶんにぴいなつをまくところもある

字形の特徴

出来るだけ元のロゴの特徴を汲んでデザインしています。基本的に垂直線・水平線・円弧の組み合わせですが、それだけでは無理が出てしまう仮名もあるので、本来の骨格に合わせた斜線を限定的に取り入れるようにしています。また、〈は〉の終筆に見られるように「巻き込みが甘い」のも特徴的なので、全体的に緩く開いた骨格を持たせています。

仮名は全て全角等幅です(独立濁点・半濁点のグリフを除く)。元のロゴに合わせて余白(サイドベアリング)を広く取ってあります。字に依っては空間が大きく偏ったりするので、まともなロゴとして使う場合は字間を手動で調整する事を考慮した方がいいです。ギュッと詰めて使うのも面白いかも知れません。

元のロゴと同様に、横書きか縦書きかで濁点の位置が変わります。但し、縦書きで正しく動作しないアプリケーションもあるようです。将来の更新で改善できたらいいのですが。

手動で詰め組みをした例です。
縦横で濁点の位置が切り替わります。

字形切り替え機能

お使いのアプリケーションが OpenType‐フォントのスタイルセット(stylistic set)に対応していれば、一部の仮名を微妙に異なる字形に切り替えられます。文字列全体に適用してもいいし、一字だけ選択して個別に適用するのも可能です。目的に合わせて利用して下さい。各セットの内容は次の通り。

第一スタイルセット ss01

初期状態で曲げてある部分を直線化します。機械的でスッキリした印象が強まりますが、「その字らしい曲線」を失うので少し読みづらくなるかも知れません。

第二スタイルセット ss02

初期状態で直線的に書いてある部分を曲げます。曲線的なリズムが出ますが、スッキリ感は少し下がります。

第三スタイルセット ss03

初期状態でちょっと無理のある「そ」「ろ」「る」「ゑ」の折り返し形状を変更します。字形の「無理してる感じ」が弱まって目に馴染みやすいですが、その部分だけ視覚的要素が増えるのでスッキリ感が下がるし、他の字と不釣り合いに見えるかも知れません。

ss01 と ss02 は正反対の性質を持つスタイルセットなので、同時に有効化するのはお勧めしません。ss02 と ss03 は要素を複雑化する方向で一致しているので、同時に適用するのもよいと思います。

三種類のスタイルセット(stylistic set)。

収録字種

次の字種を収録しています : あ〜ろ わ ゐ ゑ を ん が〜ぼ ぱ〜ぽ ゔ ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ ゃ ゅ ょ っ ゎ ー ゛ ゜

横書き初期状態(スタイルセットを適用していない状態)の字形の見本です。

利用条件

このフォント(Nu らっかせい v1.0.0)を正規の方法で取得した人は、作者(さゆぬ)に個別の許可を求める事なく、下記の範囲でフォントを利用できます。この範囲を逸脱する使い方については、御相談下さい。

画像などの作成と公開

このフォントに収録されている字形などのデータを使って文書・画像・動画などを作り、それをインターネット上に公開したり、出版したりできます。営利目的かどうかは問いません。作者名など(クレジット)を表示する必要もありません。

フォントの再頒布

このフォント自体を再頒布(送信可能化)してはいけません。他人に紹介したい場合はフォントファイルを渡すのではなく、公式ウエブページへ誘導して下さい。

フォントの改変と頒布

このフォントに由来するデータを使って新たなフォントを作成し、それを私的な環境にインストールできます。それを頒布してはいけません。ここで言う「新たなフォント」とは、一字づつ切り出した画像など、フォントと同然に使用できるデータを含みます。

アプリケーションなどへの組み込み

アプリケーションに収録された不変の文字列を表示する目的で、このフォントデータをゲームなどのアプリに組み込んで頒布できます。但し、技術的にフォントデータを取り出せない状態となっている必要があります。

免責

このフォントの使用によって何らかの損害が生じた場合、フォント作者はその責任を負いません。

フォントの入手

このフォントは Pixiv が運営している Booth という外部サイトで頒布しています。初回は利用者登録が必要ですが、単純ですし、ほかの方々のフォントも陳列されているので見に行ってみて下さい。