2005 年三月の日記

3/4 金、15:51 〈〜の時…しろ〉

t = 2 の時x2 + tx +1 = 0 を解け

まあ、普通に答えるなら「x = -1」《白文字》でしょうな。でも私は、此の様な問いを見る度に違和感を覚えます。勝手に校正してからでないと解き始められないくらいに。なぜって、次の例を見て下さい。

ピンチの時はこのボタンを押して。すぐに助けに来るよ。

此の例文は明らかに『若しもピンチになったら、其の時は…』の意味です。此れを『今ピンチだから、此のボタンを押して。』と解釈するのはとても無理です。

細かい部分を省略すると斯うなります。

ピンチの時このボタンを押せ

最初のと同じ型の文です。詰まり、最初の表現だと、『若し t = 2 'だったら (になったら)、其の時は…』の意味にはなるけれど、『今 t = 2 であるから、其れを踏まえて…』とは言えていない。私が採点者なら、答案に「諒解。」とだけ書いてあっても丸にします。『若し t = 2 になったら解いてね。』と云う要求に「諒解。」ですから。此の受験者はきっと、今度 t が 2 になった時に解いて呉れるのでしょう。いつの事かは知らないけど。

ならどう表現すれば宜いのかと言うと、次の様な感じです。

t = 2 とする。x2 + tx +1 = 0 を解け。

t = 2 の時、x2 + tx +1 = 0 の解は何か。

x2 + tx +1 = 0 の解は、t = 2 の時、何か。

t = 2 の時の x2 + tx +1 = 0 の解を示せ。

此の四つ目でも、「時の」の〈の〉は必須です。無ければ最初のと同じ事です。〈の〉の有る時と無い時との違いを示すと此んなの。区切りが違う。

[t = 2 の時の x2 + tx +1 = 0 の解] を示せ。

t = 2 の時、[x2 + tx +1 = 0 の解] を示せ。

序でに書くと、〈求めよ〉は避けました。どうして〈求める〉が『算出する』の意味になるんですか?〈求めよ〉では、「求めたが得られなかった。」と書いても丸になってしまいます。『求めてね。』と云う要求を満たしていますから。求める物が全て手に這入るとは限らない。